CVCにおけるLP出資実施の目的

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JAPAN CVC SURVEY
本記事以外にも全20記事で一橋大学と共同調査したJAPAN CVC SURVEY 2023の詳細解説をしています。様々なテーマを扱っていますので、下記記事一覧をご参照ください。
全20記事一覧

JAPAN CVC SURVEY 2023の調査結果によると、日本のCVCにおけるLP出資への取り組みが進んでいることが明らかになりました。調査対象となったCVCの65%が「LP出資を実施している」と回答しています。

LP出資を実施する企業の主な狙い

LP出資を実施しているCVCの動機について、以下の4つが主要な理由として挙げられています:

1. ネットワークの拡大
- CVC活動やM&Aのためのネットワーク拡大が最多(49件)
- スタートアップエコシステムの構築(43件)

2. 投資機会の獲得
- 投資パイプラインの獲得(32件)
- 実際の投資・テーマ分析のノウハウ獲得(29件)

3. 知見の蓄積
- 実際の地域のノウハウ獲得(22件)
- 投資・テーマ分析ノウハウの獲得

4. その他の動機
- たまたま誘いがあった(18件)
- 投資パフォーマン獲得(8件)

特徴的な傾向

注目すべき点として、純粋な投資リターンを目的とするケースは少数にとどまっています。多くのCVCは、ネットワークの構築やエコシステムへの参画など、より戦略的な目的でLP出資を活用しています。

また、「たまたま誘いがあった」という回答も一定数存在することから、LP出資の機会が受動的に訪れるケースも少なくないことが分かります。

まとめ

日本のCVCにおけるLP出資は、現時点では限定的な取り組みにとどまっているものの、実施企業の多くが明確な戦略的意図を持って投資を行っています。特に、ネットワーク構築やエコシステム形成といった長期的な価値創造を重視する傾向が顕著です。

今後、CVC活動の成熟化に伴い、より多くの企業がLP出資を戦略的な投資手法として検討する可能性があります。ただし、その際には単なる投資リターンではなく、自社のCVC活動強化やエコシステム構築といった明確な戦略目的を持って取り組むことが重要となるでしょう。

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