JAPAN CVC SUMMIT 2024:グローバル戦略におけるCVCの活用<セッションレポート>

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イベントレポート

大企業のCVC設立が加速する中、海外企業への投資を本格化させる企業も増えています。2024年7月2日に開催された「JAPAN CVC SUMMIT」では、東芝テック株式会社 代表取締役社長の錦織弘信氏、X&KSK Fund マネージングパートナーの山本航平氏、I&CO Director of Strategyの金山大輝氏が登壇し、グローバルなCVC活動とその成功のポイントについて議論しました。モデレーターはFIRST CVC株式会社 代表取締役の山田一慶氏が務めました。

CVC・VC・スタートアップ支援の立場からグローバル投資の考察

山田氏:今回は異なる立場の3名をゲストに、国内CVCのグローバル進出における現状と課題、成功のためのポイントを探ります。まず、東芝テックの錦織さんに企業概要をお聞きします。

錦織氏:当社は1950年設立の電機メーカーで、リテール事業が売上の56%、ワークプレイス事業が44%を占めています。海外売上比率は6割を超えています。

山田氏:既に事業レベルでグローバル展開が進んでいるわけですね。

次に、X&KSK Fundの山本さんにお話を伺います。山本さんは楽天グループのCVC「Rakuten Capital」で投資活動を行っていましたよね。山本氏:はい、米国や中南米、インドなどの企業に投資していました。その後、本田圭佑さんと共にX&KSK Fundを立ち上げ、日本のスタートアップに投資を行っています。

最後に、I&COの金山さん、企業概要を教えてください。

金山氏:当社は、顧客企業と共にビジネスやブランディングの戦略立案を支援しています。創業者はクリエイティブディレクターのレイ・イナモトで、米国と東京を拠点とし、2024年にはシンガポールにも進出しています。今回は第三者の立場でお話しできればと思います。

事業目標達成に向けたグローバルCVCの進出

山田氏:錦織さん、東芝テックがCVCを立ち上げ、グローバル進出に至るまでの経緯を教えてください。

錦織氏:2019年にCVCを立ち上げ、国内企業を中心に投資を行っていましたが、DXが進む中で米国の知見を取り入れるため、米国スタートアップへの投資を本格化させました。CVC組織は約20名で、2024年からシリコンバレーに担当者を常駐させています。

国内CVCが直面する現地ソーシングの課題

山田氏:米国進出にあたり、どのような課題がありましたか?山本氏:投資活動の軸のぶれや、ソーシングの難しさが課題です。東芝テックはどのように案件をソーシングしているのですか?

錦織氏:現地のファンドや顧客つながりを活用して投資先を選定しています。

金山氏:APAC進出では、日本企業のコンテクストとグローバルスタンダード、ローカルスタートアップのコンテクストを理解することが重要です。

オープンイノベーションを通じて目指すビジョン

山田氏:オープンイノベーションでの課題は?

錦織氏:データのバリューチェーン全体での連携が難しかったですが、生成AIの登場で技術的なハードルは低下しています。次は、データをバーティカルにつなげることが重要です。

山本氏:米国のリテール領域での失敗例を踏まえ、東芝テックはどのようにデータ利活用を進める予定ですか?

錦織氏:販促活動や人的リソース不足の解決を目指し、段階的に取り組んでいきます。

グローバルCVC活動のポイント

山田氏:CVC活動をグローバルで成功させるポイントは?

錦織氏:グローバル進出時には、先進的なビジネスにリスペクトを持つことが重要です。

山本氏:日本企業はグローバルでゼロから市場基盤を構築する覚悟が必要です。

山田氏:今回は主にアウトバウンド投資に焦点を当てましたが、インバウンド型のグローバル投資もあります。金山さん、シンガポールの現状について教えてください。金山氏:シンガポールではヘルスケアやバイオが盛り上がっており、日本市場への進出を目指すスタートアップが増えています。

山田氏:日本市場を目指す海外スタートアップとの連携も、グローバル戦略におけるCVC活用の一つです。ありがとうございました。

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