CVCの投資方針:投資対象ステージ

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JAPAN CVC SURVEY
本記事以外にも全20記事で一橋大学と共同調査したJAPAN CVC SURVEY 2023の詳細解説をしています。様々なテーマを扱っていますので、下記記事一覧をご参照ください。
全20記事一覧

日本のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の投資戦略において、投資対象ステージの選択は重要な指標となっています。JAPAN CVC SURVEY 2023の最新調査結果から、日本のCVCの投資ステージに関する特徴的な傾向が明らかになりました。

■投資ステージの現状と特徴

調査によると、日本のCVCは以下のような投資ステージ選好を示しています:

【アーリーステージ(シリーズA)】
・53%と最も高い選好性
・ビジネスモデルの確立と成長期待の両立
・リスクとリターンの最適なバランスポイント

【アーリーステージ(プレシリーズA)】
・18%が注目
・技術シーズの早期確保を目指す
・比較的リスク許容度の高いCVCが選好

【シードステージ】
・5%と最も低い選好性
・事業化リスクへの懸念
・長期的な育成視点が必要

■投資ステージ選好の背景要因

この傾向の背景には以下のような要因が考えられます:

1. リスク管理の観点
- ビジネスモデルの実証済み企業を重視
- 投資の確実性を優先
- 社内説明責任への配慮

2. 事業シナジーの追求
- 既存事業との協業可能性の模索
- 比較的短期での成果創出期待
- 具体的な協業プランの立案しやすさ

3. 組織的制約
- 投資判断プロセスの確立度
- 社内リソースの配分状況
- 投資実績の蓄積度合い

■まとめ

日本のCVCは、グロースステージを中心とした比較的安定的な投資戦略を取っていることが明らかになりました。これは、事業シナジーの創出しやすさとリスク管理の観点から理解できる傾向です。

一方で、イノベーション創出の観点からは、より早期ステージへの投資も重要です。今後は、リスク許容度の向上と投資能力の強化により、投資ステージの多様化が進むことが期待されます。

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