本記事以外にも全20記事で一橋大学と共同調査したJAPAN CVC SURVEY 2023の詳細解説をしています。様々なテーマを扱っていますので、下記記事一覧をご参照ください。
全20記事一覧
FIRST CVC株式会社が実施した「JAPAN CVC SURVEY 2023」の調査によると、日本企業のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)設立の目的は、大きく変化してきていることが明らかになりました。
一般CVCと比べてリーディングCVCはスタートアップ投資自体を1つの事業として立ち上げようという意欲がみられます。それに対して一般CVCは、社内での事業開発の限界の克服や戦略的な既存事業や新規事業の開拓のように、飽くまでも本体事業との戦略的シナジーを求めてCVCを立ち上げる傾向にあります。これは、リーディングCVCの方が財務リターンを重要視しており、ハイブリッドCVCや財務CVCが多いこととも整合的であ離ます。
これまでハイブリッドCVCは目的が曖昧となるため成果が出にくいといわれてきたが、本調査の結果は、むしろ戦略CVCに対するハイブリッドCVCの優位性を示唆しています。短期的には戦略シナジーを生むことが難しい中で、母体企業からの支援を受け続けるには、一定の財務規律を持たなければならないということかもしれません。
CVCの設立目的は、単純な戦略的投資から、より洗練された投資アプローチへと進化しています。成功するCVCには、財務リターンと戦略的価値の両立、そして本業とのバランスの取れた関係構築が求められています。今後は、より多くの日本企業が、この複雑な要求に応えながら、独自のCVC戦略を確立していくことが予想されます。
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