本記事以外にも全20記事で一橋大学と共同調査したJAPAN CVC SURVEY 2023の詳細解説をしています。様々なテーマを扱っていますので、下記記事一覧をご参照ください。
全20記事一覧
JAPAN CVC SURVEY 2023の調査結果から、日本のCVCが直面している人材面での課題が明らかになりました。特に注目すべきは、スキル不足や教育体制の整備など、人材育成に関する課題が上位を占めている点です。
1. スキル・知見の不足
調査によると、最も多く挙げられた課題は「事業部や経営層のスタートアップ投資に関する理解が不十分」(40%)と「スタートアップ投資に必要なスキル・ノウハウを持つ人材が社内にいない」(40%)でした。これは、CVCに必要な専門知識とスキルの不足が深刻な課題となっていることを示しています。
2. 教育・研修の不足
「CVC担当者の教育・研修を十分行えていない」(40%)という回答も同様に多く見られます。これは、人材育成体制の整備が追いついていない現状を反映しています。
3. 評価・報酬制度の課題
「CVC活動の担当者に対する評価・報酬制度が不十分」(31%)という課題も無視できません。適切な評価・報酬制度の欠如は、優秀な人材の確保・維持を困難にする可能性があります。
4. 組織的な制約
「CVC組織に与えられたヘッドカウント枠が業務量に対して少なすぎる」(21%)という課題も指摘されています。これは、組織としての体制整備の遅れを示唆しています。
5. 専門人材の確保と維持
- 「CVC責任者のスタートアップ投資に関する知見が不十分」(9%)
- 「CVC担当者の退職が多くノウハウやネットワークが途切れる」(8%)
- 「CVC担当者の採用が進まず枠が埋まらない」(8%)
これらの課題は、専門人材の確保と維持の難しさを示しています。
日本のCVCが直面する人材面での課題は、主に以下の3つに集約されます:
1. 専門知識・スキルの不足
- スタートアップ投資に関する理解
- 実務に必要なスキル・ノウハウ
2. 人材育成体制の未整備
- 教育・研修プログラムの不足
- 評価・報酬制度の課題
3. 組織体制の制約
- 人員枠の制限
- 専門人材の確保・維持の難しさ
これらの課題を解決するためには、以下の取り組みが重要となるでしょう:
- 体系的な教育・研修プログラムの整備
- 適切な評価・報酬制度の構築
- 外部専門家の活用を含めた柔軟な人材戦略
- 組織としての体制整備と権限委譲
今後、CVCとしての持続的な成長を実現するためには、これらの人材面での課題に対する計画的かつ戦略的な取り組みが不可欠となります。
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