概要
2023年8月25日、電気興業株式会社は岩手県盛岡市に本社を持つ株式会社サイバーコアの株式を取得し、同社を連結子会社化しました。取得価格は1,500百万円で、株式取得後の持株比率は52.63%に達します。このM&Aは、AI技術と電気通信分野の融合を目指した戦略的な動きです。
買収企業と買われた企業の紹介
電気興業株式会社: 創業70年以上、主に通信インフラの整備や高周波誘導加熱装置の製造、各種アンテナ製造を手掛ける企業です。また、これまで培った無線通信技術を基に、ローカル5Gを含む新たな通信技術分野の展開を進めています。
株式会社サイバーコア: 2007年に設立されたAIソリューション企業で、特に画像AI分野に強みを持ちます。同社は画像処理や認識技術、人工知能アルゴリズムの開発力で国際的な評価を受け、様々な産業での課題解決に貢献しています。
発生の背景
電気興業は中期経営計画「DKK-Plan2025」において、新規事業であるソリューション事業への注力を表明しており、その一環としてAI技術の活用を拡大したい意図がありました。一方、サイバーコアはさらなる技術開発と事業規模の拡大が喫緊の課題であり、資本の安定とリソース確保が必要でした。このように両社の戦略的ニーズが合致し、今回のM&Aが成立しました。
想定されるシナジー
両社の技術の融合により、以下のようなシナジーが期待されます:
- 電気興業の無線通信技術とサイバーコアの画像AI技術を統合することで、より高性能なセンシングソリューションの実現。
- AIを活用したソリューションビジネスにおいて、新たな市場の獲得および事業領域の拡大。
- 効率的な交通分析や高度な自動化技術を活用した製品・サービス提供による社会課題の解決。
まとめ
今回のM&Aは、通信技術とAI技術の融合を目指し、社会インフラや産業分野における価値提供を加速させるものです。これにより、電気通信業界のデジタル化やAI活用のトレンドを牽引するだけでなく、IoTやローカル5Gといった分野でのさらなる成長が期待されます。