概要
江崎グリコ株式会社は、2024年6月3日、冷凍ヘルシーミールの定期宅配サービス「GREEN SPOON」を展開する株式会社Greenspoonを完全子会社化しました。本件は、江崎グリコが健康・食品事業を強化し、「おいしさと健康」という価値をさらに広げる意図で行われたものです。
買収企業と買われた企業の紹介
江崎グリコ株式会社は、製菓や冷菓、乳製品、食品の製造および販売を手がける日本を代表する企業です。同社の「SUNAO」ブランドは適正糖質に基づく健康的な食事法を推進しており、近年は冷凍食品や宅配サービスにも注力しています。
株式会社Greenspoonは、冷凍食品の定期宅配サービス「GREEN SPOON」を展開しています。同サービスは、スムージーやスープ、サラダなど70種類以上の栄養豊富なメニューを提供し、簡単な調理で楽しめることが特徴です。特に栄養価と手軽さを重視した製品が評価され、累計会員数は15万人を突破しています。
発生の背景
江崎グリコ側の背景には、健康・食品分野の強化と日常消費領域の拡大があります。「SUNAO」ブランドの成功を基礎に、主菜・副菜分野での事業展開が求められていました。一方、Greenspoonは、赤字が継続していたものの、革新的な商品を持つスタートアップとして成長を目指していました。両社は2022年からの資本提携を通じて関係を深め、戦略的なシナジーに可能性を見出した結果、このM&Aが実現しました。
想定されるシナジー
本M&Aにより、Greenspoonの革新的な商品開発力と江崎グリコのブランド力、販売チャネルが融合することで、以下の具体的なシナジーが期待されます:
- 新商品の共同開発と市場投入によるスピードアップ
- 江崎グリコのサプライチェーン技術を活用した製造効率化
- Greenspoonの商品を全国展開し、販売チャネルを拡大
- 両社の顧客基盤の共有による相互成長
まとめ
江崎グリコによる株式会社Greenspoonの完全子会社化は、大企業とスタートアップの協業がもたらす成功事例として注目されています。本件は、両社の強みを活かしながら「おいしさと健康」に重点を置いた新たな価値を創出する取り組みです。このようなM&Aは、競争が激化する食品業界における成長戦略の一端を示しており、今後の業界トレンドに大きな影響を及ぼす可能性があります。