概要
楽天株式会社は、フリーマーケットアプリ「フリル」を提供する株式会社Fablicの発行済み全株式を取得し、完全子会社化しました。このM&Aにより、楽天は自社が提供する「ラクマ」との連携を通じてCtoC事業のさらなる拡大を目指しました。
買収企業と買われた企業の紹介
楽天株式会社は、Eコマースを中心に金融、通信、スポーツなど多岐にわたる分野で事業を展開する日本を代表する企業です。楽天エコシステムを通じて一つのIDで70以上のサービスを提供し、利便性の高いプラットフォームを構築しています。
株式会社Fablicは、2012年に設立され、フリーマーケットアプリ「フリル」を日本で初めて展開した企業です。同アプリはファッションや美容用品に特化し、10代後半から20代の若年女性を中心に高い支持を得ていました。
発生の背景
楽天は、CtoC市場の成長に注目し、自社アプリ「ラクマ」のさらなる強化を目指していました。一方、Fablicは競争が激化するフリマアプリ市場で成長を維持するために、より大きな顧客基盤やマーケティング能力を必要としていました。
この背景から、両社の連携により各々の強みを補完し合い、競争力の向上を図ることが本M&Aの目的でした。
想定されるシナジー
楽天が持つ膨大な顧客基盤、マーケティング知見、そして「楽天スーパーポイント」などの独自のエコシステムに、Fablicが持つ企画力やCtoC市場での知見を組み合わせることで、次のようなシナジー効果が期待されます:
- 両アプリの統合により、月間流通総額の大幅な増加。
- 楽天IDの導入およびポイントキャンペーンによるユーザー利便性向上。
- より幅広い年齢層およびジャンルの顧客に対するリーチ拡大。
まとめ
本M&Aは、拡大が続くCtoC市場において両社が持つ強みを最大限に活かした戦略的な取り組みです。この提携は楽天経済圏のさらなる拡大に寄与するだけでなく、ユーザーにとってより利便性の高いプラットフォームを提供するという点で業界の成長にも寄与すると考えられます。