概要
株式会社小学館は、2023年7月31日付で、株式会社Candeeの全株式を取得し、100%子会社化しました。このM&Aにより、小学館はデジタル領域のさらなる強化を図るとともに、Candeeのライブ配信や動画制作、D2C支援の専門性を取り込み、新たなビジネス機会を創出することを目指しています。
買収企業と買われた企業の紹介
買収企業:株式会社小学館
小学館は1922年創業の日本を代表する総合出版社で、児童向けの教育書籍から漫画、雑誌、電子書籍、キャラクタービジネスまで幅広い事業を展開しています。『ドラえもん』『名探偵コナン』などの人気コンテンツを有し、近年はデジタル領域や国際展開にも力を入れています。
被買収企業:株式会社Candee
Candeeは2015年設立の企業で、スマートフォン向けのライブ配信や動画制作、D2C支援事業を展開しています。これまでに40,000回以上のライブ配信と4,000本以上の動画制作を手掛けた実績があり、Vtuber事業などの分野でも存在感を示しています。
発生の背景
小学館は、出版業界のデジタル化進展を受けて、デジタル分野をビジネスの主軸とする取り組みを進めてきました。一方、Candeeはライブ配信やD2C事業での成長を目指し、さらなるリソースや経営資源の拡充を模索していました。両社のニーズが一致し、Candeeの技術力と成長力を活用して、小学館のデジタル戦略を強化するため、このM&Aが実現しました。
想定されるシナジー
本M&Aによって、小学館が保有する膨大なコンテンツとCandeeのライブ配信技術や動画制作力が融合し、以下のような新たな価値を創出することが期待されます:
- 小学館のコンテンツを活用した質の高いライブ配信や動画コンテンツの制作
- D2Cビジネスへの展開強化により、読者や視聴者との直接的なつながりを構築
- デジタル化を進める出版業界での競争力の向上
まとめ
今回のM&Aは、小学館が出版業界のデジタル化に対応し、次世代のエンターテイメントコンテンツを提供するための重要な一歩となりました。Candeeとの連携により、ライブ配信やD2C事業における新たなビジネスモデルが構築されることで、市場での競争力がさらに強化される可能性があります。デジタル時代における出版業界のトレンドに対応した取り組みとして、注目すべき事例といえるでしょう。