概要
新日本法規出版株式会社が株式会社日本リーガルネットワークの「法務メディカルセンター」による医療鑑定事業を譲受しました。本M&Aは、新日本法規出版が法律情報の提供を基盤に医療鑑定サービスを取り入れることで、法務関連業務の支援をより充実させることを目指しています。
買収企業と買われた企業の紹介
新日本法規出版株式会社は1948年創業の法令情報専門の出版社で、法令図書の発行やリーガルリサーチツールなどを提供しています。近年は、法曹業界における課題解決や、デジタルサービスの展開にも注力しています。
株式会社日本リーガルネットワークはリーガルテック分野のスタートアップ企業で、法律知識とIT技術を融合させた革新的なサービスを展開しています。特に医療鑑定や弁護士費用提供サービス「ATE保証/アテラ」など、問題解決型のソリューションを提供しています。
発生の背景
新日本法規出版は法規関連サービスの拡充を通じて、法律実務の課題解決に取り組む姿勢を強化しています。一方、日本リーガルネットワークは自社医療鑑定事業を大手である新日本法規出版のリソースに委ねることで、他のリーガルテック事業の拡大に専念できる環境を整えています。この背景には、両社がそれぞれの専門分野で強みを活かし、更なる市場ニーズに応えようという戦略的意図があります。
想定されるシナジー
本M&Aにより、新日本法規出版の法規データや法律関連コンテンツと、日本リーガルネットワークの医療鑑定技術の統合が期待されます。これにより、法律事務所に向けた包括的なソリューション提供が可能となり、例えば、法律相談から医学的証拠の提供まで一貫したサービスを展開することができます。また、医療鑑定サービスを利用する弁護士の顧客基盤拡大や、新規サービスの開発など、法務医療分野におけるさらなる成長が見込まれます。
まとめ
今回のM&Aは、法務分野と医療鑑定分野の融合により、法律業務の幅を拡張する戦略的な取り組みです。法律実務のデジタル化という業界トレンドに対応しつつ、両社のリソースの相乗効果を生み出すことで、業界全体の競争力向上に貢献する意義ある事例といえます。