概要
DIC株式会社は、グリーンサイエンス・マテリアル株式会社(以下、GSM社)を連結子会社化しました。GSM社は、藍藻類のスイゼンジノリ由来の多糖類「サクラン®」を世界初商用化したバイオベンチャーであり、DICはGSM社の技術力や研究成果を活かし、スキンケア製品のグローバル展開を推進する方針です。
買収企業と被買収企業の紹介
DIC株式会社: 印刷インキや化学製品を中心に、ヘルスケアやサステナブル素材など幅広い事業を展開する日本の大手化学メーカーです。同社は藍藻類を活用した技術開発を進め、環境や健康に配慮した製品を提供しています。
グリーンサイエンス・マテリアル株式会社: 熊本県を拠点とするバイオベンチャー企業で、スイゼンジノリから抽出される「サクラン®」を用いたスキンケア製品やバイオマテリアル事業を展開しています。同社はその優れた保湿性や抗炎症効果を活かした製品開発に強みを持ちます。
発生の背景
DICは、藻類由来の機能性素材を活用した事業に注力しており、GSM社との連携強化を通じて「サクラン®」に関連する技術の開発と市場開拓を推進する必要性を感じていました。一方、GSM社は、DICの培った大量培養技術や販売網を活用することで、研究成果をさらに社会実装し、成長を加速させる意図がありました。この戦略的ニーズの一致が今回の子会社化の背景と考えられます。
想定されるシナジー
両社の連携により、以下のようなシナジーが期待されます。
- 「サクラン®」を用いたスキンケア製品のグローバル展開による市場拡大。
- 藍藻類培養技術の改良を通じた安定供給体制の確立とコスト削減。
- DICグループの研究開発力とGSM社の機能性素材を組み合わせた新規応用の創出。
- スイゼンジノリの保全活動を通じた環境貢献と社会的評価の向上。
まとめ
DICによるGSM社の連結子会社化は、バイオ技術を活用したヘルスケア事業の拡大に寄与する重要な取り組みです。この連携は、環境負荷を低減しながら高付加価値製品を提供するという業界トレンドに合致しており、今後も注目される動きといえます。