スタートアップのM&A DB：エムスリーキャリア株式会社による株式会社セントラルメディエンスの買収/M&A事例

概要

2023年12月1日、エムスリーキャリア株式会社は株式会社セントラルメディエンスより産業保健事業およびストレスチェックサービスを譲り受けました。この事業譲渡により、エムスリーキャリアは健康経営の領域でさらなるサービス強化を図り、企業の健康課題解決を支援する体制を整えます。

買収企業と買われた企業の紹介

エムスリーキャリア株式会社は2009年に設立され、医療従事者向けマッチングサービスや産業医紹介サービスを提供しています。同社は「健康社会の実現を加速させる」というミッションのもと、幅広い健康経営ソリューションを展開しており、日本最大級の医療従事者向けプラットフォーム「m3.com」を基盤に事業を拡大しています。

株式会社セントラルメディエンスは2018年創業で、医療機関の最適化を目指した医療従事者の紹介や産業保健事業、医薬品の販売など多岐にわたる医療サポートを行っています。特に産業医ネットワークや多言語対応のストレスチェックシステムを活用した独自サービスが強みです。

発生の背景

近年、企業の健康経営やメンタルヘルス支援の重要性が増しており、それに伴い産業保健サービスの需要が拡大しています。エムスリーキャリアは、産業保健分野での事業強化を目指していました。一方でセントラルメディエンスは、リソースを集中させるために産業保健事業の事業譲渡を決断しました。このように両社の戦略的ニーズが一致したことが、今回のM&Aの背景となっています。

想定されるシナジー

今回の事業譲渡により、エムスリーキャリアはセントラルメディエンスが持つ産業保健事業のノウハウや技術力を取り込み、企業向けの健康経営ソリューションを一層強化できます。例えば、独自のストレスチェックシステムとエムスリーキャリアの産業医紹介サービスを統合することで、より包括的な健康支援を提供することが可能になります。

また、エムスリーキャリアの広範な医療従事者ネットワークを活用することで、セントラルメディエンスのサービス価値をさらに向上させることが期待されます。

まとめ

このM&Aは、日本における健康経営推進を加速させる動きの一環であり、企業の成長と労働者の健康環境向上の両立を目指した戦略的な取り組みといえます。昨今の産業保健分野の高まる需要にも対応した形で、持続可能な事業モデルの構築に寄与するものと考えられます。