ファナック株式会社は、2018年2月にライフロボティクス株式会社の全株式を取得し、同社を完全子会社化しました。ライフロボティクスが開発する「CORO」などの独自技術を活用することで、産業用ロボットの多様化を図り、新たな市場を開拓する狙いがあります。
ファナック株式会社は、山梨県を拠点とするファクトリーオートメーション(FA)や産業用ロボットの世界的リーディングカンパニーです。FAシステムやロボットアーム、精密機械などを提供し、自動化技術の黎明期から業界をリードしています。
ライフロボティクス株式会社は、東京都江東区に本社を置き、2007年に設立されたロボットベンチャー企業です。同社は、安全かつ省スペースで動作可能な「肘のない」協働ロボット「CORO」を開発し、物流や製造など幅広い分野への導入を進めてきました。
ファナックは、自動化技術の進化や多様化する市場ニーズに対応するため、革新的な技術を持つ企業との連携を模索していました。一方、ライフロボティクスは、独自技術を効果的に展開し、規模を拡大するために経営基盤の強化が必要でした。この両社の戦略的ニーズが一致し、買収が実現しました。
特に、労働力不足への対応や生産性向上を背景に、協働ロボット市場が拡大する中で、ライフロボティクスの「CORO」の技術がファナックのポートフォリオを補完する重要な存在と見なされたと考えられます。
この買収により、ファナックはライフロボティクスの独自技術「Transpander Technology」を取り込むことで、従来の産業用ロボットでは対応が難しかった狭小スペースでの作業や、柔軟な業務工程への適応が可能になります。
また、ファナックの持つ世界的な製造・販売ネットワークを活用することで、「CORO」をはじめとする協働ロボットの市場浸透が加速すると期待されます。この技術とネットワークの融合により、新たな自動化ソリューションの展開が予想されます。
今回のM&Aは、ファナックが協働ロボット市場での競争優位性を確立する一環として重要な戦略でした。また、ライフロボティクスにとっても、ファナックのリソースを活用できることから技術と事業の成長が加速するメリットがありました。
この動きは、日本国内外で拡大するロボット市場の中でも、特に協働ロボットの重要性が高まる背景を反映しています。自動化技術の進化により、人手不足や生産性向上などの社会課題に対応するための新たなソリューションがさらに期待されます。
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