概要
アイリスオーヤマ株式会社は2023年7月31日付でスマイルロボティクス株式会社を完全子会社化しました。この買収により、スマイルロボティクスの先進的なロボット開発力と、アイリスオーヤマの企画・量産・販売力を結びつけ、新たなロボティクスソリューションの実現を目指します。
買収企業と買われた企業の紹介
アイリスオーヤマ株式会社は、生活用品の企画、製造、販売を行う企業で、2020年よりロボティクス事業に参入しています。法人向けサービス・ロボット分野で急成長を遂げ、清掃・配送用ロボットなどで4000社以上の導入実績を持ちます。
スマイルロボティクス株式会社は2019年に創業された東京大学発のスタートアップで、下膳ロボットや棚搬送ロボットの開発を手がけています。また、ロボットアプリケーションフレームワーク“OpenRR”の開発など、技術的に高度なソリューションを提供しています。
発生の背景
この買収は、スマイルロボティクスの持つ高いロボット開発技術を、アイリスオーヤマの販売網や量産体制と結びつけ、国内外での事業展開を加速させる狙いがあります。また、日本が直面している「物流2024年問題」や介護現場での人手不足といった社会課題に対応する高度なロボティクスソリューションの開発が求められていました。
想定されるシナジー
両社の強みを組み合わせることで、次のようなシナジー効果が期待されます。
- スマイルロボティクスの開発力とアイリスオーヤマの量産力を活かし、清掃ロボットや配送ロボットの製品力を強化。
- 単一の機能から複数ロボット間の連携機能へ進化させることで、企業にとって高い付加価値を提供。
- 新たな市場ニーズに応じた仕分けロボットや搬送ロボットの迅速な開発。
まとめ
本件M&Aは、アイリスオーヤマにとって初めてのスタートアップ買収案件であり、国内のロボティクス市場を一層拡大させる可能性を秘めています。この買収は、サービスロボットの需要が増加する中で、日本企業が競争力を高める一助となり、ロボット事業を中心とした次世代の社会課題解決を目指す重要な一歩となります。