概要
フリー株式会社は2022年6月30日、税理士向けクラウドサービスを提供するMikatus株式会社を金銭対価の株式交換により完全子会社化しました。本件M&Aの目的は、Mikatusが持つノウハウと顧客基盤を取り込むことで、フリーのクラウドERPサービスをさらに強化し、会計事務所およびその顧問先に対するサービス提供体制を拡充することにあります。
買収企業と買われた企業の紹介
フリー株式会社は、統合型クラウドERPサービスを提供する企業で、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム。」の実現を目指しています。ERPを通じて総務、会計、人事などの基幹業務を最適化するクラウド型のサービスを提供しており、スモールビジネスを支援する事業展開が特徴です。
Mikatus株式会社は、2009年に設立され、税務・会計・給与を一体化したクラウドシステム「A-SaaS」を提供しています。同サービスは全国1,000以上の会計事務所及び13万以上の中小事業者で利用されており、税理士業務の効率化と付加価値の提供を支援することを目的としたソリューションが強みです。
発生の背景
本M&Aの背景には、フリーが日本国内の会計事務所向けサービスの提供強化を図りたいという戦略的意図があります。一方、Mikatusは自社サービス「A-SaaS」をさらに多くの会計事務所に展開し、市場シェアを拡大するためのリソース確保が課題でした。両社の持つ技術と顧客基盤を統合することで、より競争力のあるサービス提供が可能になると判断されました。
想定されるシナジー
第一に、フリーのクラウドERPとMikatusの「A-SaaS」が連携することで、会計事務所向けにより総合的かつ効率的なサービスを提供できる体制が整います。第二に、Mikatusの既存顧客基盤を取り込むことで、フリーは税理士市場でのシェアを拡大し、スモールビジネスへのサービス浸透を加速させることが期待されます。さらに、両社の技術力を融合することで、新たなクラウドサービスの開発や提供が可能となり、業界のデジタル化を促進します。
まとめ
Mikatusの完全子会社化により、フリーは会計事務所およびその顧問先に向けた統合型プラットフォームの提供を充実させることができます。本件は、クラウドサービス市場において競争力を高める動きであり、業界全体のデジタル化と効率化を推進する重要な一歩です。また、税理士向けサービスにおける競争が激化する中、このM&Aは、両社にとっての成長機会を意味しています。