スタートアップのM&A DB：J-STAR株式会社 Potentia Capitalによるjinjer株式会社の買収/M&A事例

概要

2024年9月、J-STAR株式会社とPotentia Capitalが共同でjinjer株式会社の全株式を取得しました。この取引により、J-STARの日本市場での豊富な投資実績と、Potentiaのテクノロジー分野での専門知識が結集し、jinjerが提供するクラウド型人事労務システム「ジンジャー」のさらなる成長が期待されています。

買収企業と買われた企業の紹介

J-STAR株式会社は、日本国内の中堅・中小企業に特化した課題解決型の投資を得意とし、これまでに130社以上の企業への投資実績を持つ独立系投資会社です。豊富な運用資産とノウハウを活かし、「バイ・アンド・ビルド」戦略で企業価値の向上を図っています。

Potentia Capitalは、オーストラリアを拠点とするプライベート・エクイティ投資会社で、特にソフトウェアやテクノロジー分野での成長支援に強みがあります。同社はこれまで多くのテック企業のバリューアップを実現してきました。

jinjer株式会社は、クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供する企業で、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメントといった幅広い機能を一元管理できる特徴があります。多くの中小企業から大企業まで、幅広い顧客基盤を持つ急成長中のHRテクノロジー企業です。

発生の背景

J-STARとPotentiaによるjinjerの買収背景には、両社の戦略的ニーズがありました。J-STARは国内市場での投資実績を強化し、持続可能な成長を支援することで投資先の企業価値向上を目指しています。一方、Potentiaはテクノロジー分野での専門知識を活かし、日本市場でのプレゼンスを拡大するため、jinjerのような高成長企業への投資を模索していました。さらに、jinjer自身もプロダクトの競争力強化や市場シェア拡大を目指して、外部からの資本と支援を必要としていました。

想定されるシナジー

今回の買収により、J-STARの日本市場での投資経験とPotentiaのテック分野での知見が融合します。これによって、jinjerの「ジンジャー」の機能改善やプロダクトライン拡充が加速し、より付加価値の高いサービス提供が可能になります。また、両社のネットワークを活用することで、新たな顧客開拓やパートナーシップも期待されます。特に、日本のHR SaaS市場でのリーダーシップをさらに強化する機会となるでしょう。

まとめ

J-STARとPotentiaによるjinjerの買収は、HRテクノロジー市場における顧客ニーズの変化に対応した戦略的な動きです。クラウド技術とデジタル化の重要性が増す中、この統合は市場拡大やサービス向上につながる可能性があります。また、日本国内およびテクノロジー分野におけるプライベート・エクイティ投資のトレンドを象徴する事例とも言えます。