はじめてのはじまりを描き続ける。コーポレートアイデンティティに込めた想いとは

2024
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08
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13
コラム

「FIRST CVC」は事業会社化に伴い、ブランドのロゴやビジュアルアイデンティティ、タグライン、ステートメントなどで構成されるコーポレートアイデンティティを新たに策定しました。2023年の後半頃から検討を本格化し、2024年の公開に至るまで、プロジェクトをお手伝いいただいたのが「I&CO(アイアンドコー)」。ユニクロやトヨタ、パナソニックといった著名企業のビジネス戦略やブランディングなどを支援し、変革に伴走しているグローバル・イノベーション・ファームです。このコラムでは、その背景やプロセスの詳細、コーポレートアイデンティティに込められた想いなどについてお伝えします。

きっかけは元同僚への社名相談

プロジェクトの発端は2023年。FIRST CVCの山田・藤原がソフトバンクで新規事業を担当していた頃の同僚であり、現在は戦略部門を統括している金山さんへの相談でした。本格的にCVCやスタートアップに向けた事業を展開していくにあたり、当時まだ決めあぐねていた社名についてのアドバイスを仰いだことがきっかけです。金山さんとの意見交換を経て、最終的にはコミュニティ名として使っていた「FIRST CVC」を社名としても掲げていくことになったのですが、その際に話に上がったのが、コーポレートアイデンティティの必要性でした。

両社の強みを活かしたビジネスパートナーシップをI&COとの間で締結し、そのスコープの一部として、コーポレートアイデンティティの策定やブランドのデザインを支援したい。そういった提案を受けて、プロジェクトが本格始動することになりました。金山さんには今もFIRST CVCの外部顧問として、ビジネスやブランドづくりの面でサポートいただいています。

一本の線が示した向かうべき道

2023年末。会社やブランドをどうしていきたいのかといったインタビューやヒアリングを経て、最初にアイデアとして見せていただいたのが、力強い一本の線でした。社名である「FIRST」に込められた「初めて」や「始まり」「最初に頼りにされる場所」「イノベーションの一丁目一番地」などの意味。その想いを、英語の「FIRST」ではなく、漢数字の「一」で表現するのはどうかという提案でした。

筆文字で描かれた「一」には日本らしさもあり、同時に泥臭さや力強さといった、私たちが大事にする熱量も感じられる。「この線は、一という漢字を意味するだけではありません。大企業のCVCやスタートアップとともに描く、未来に向けた新たな挑戦のスタートラインです」という言葉を聞いて、まさにFIRST CVCにふさわしいコンセプトだと思いました。

FIRST CVCの想いを言葉に

次に、ブランドのタグラインやステートメントの開発に着手。心に響くコミュニケーションでCVCの皆さまの目の色が変わり、世の中からのイメージも変わる。結果、企業や社会にモチベーションが生まれ、それがイノベーションの原動力となり、またコミュニケーションに還元されていく…というポジティブなループを起こすことをゴールに据えて、文言の検討を行いました。

最終的に完成したのが、「はじめてのはじまりを描き続ける」というタグラインと、その背景を物語る一連のステートメントです。FIRST CVCの社名や事業にかける思いや意味が伝わる、力強いメッセージを開発することができました。

デザイナーとの化学反応

2024年に入ってからは、I&COのアートディレクターである橋本さんもプロジェクトに参加。金山さんが示した方向性のもと、より具体的なデザインに落とし込んでいただきつつ、コーポレートロゴの検討も並行して進めていただきました。タグラインやステートメントで掲げた、スタートラインを何度も描き続けるというメッセージによりそうべく、初回提案の際は一本だった線を、熱量ある直線の重なりにアップデート。企業と二人三脚しながら、新しい一歩を何度も描く過程を通じて、企業ごとのコーポレートカラーが幾重にも重なり、やがて専門用語でリッチブラックとも呼ばれる黒になる。そのプロセスや色をデザインを通じて表現するというアイデアは、まさにデザイナーとの化学反応によって生まれたものでした。

こうして、何十回も、何百回も、始まりの線を力強く描き続けるという、私たちの想いが詰まったFIRST CVCならではのビジュアルアイデンティティが完成しました。

異色な2つのブランドロゴ

ロゴタイプのベースには、力強さもあり、スマートな印象をもたらす「Baufra」を採用。直線的な要素と手書きの要素が混ざり合う有機的な書体をセレクトし、各部を調整することで、洗練さと愚直さを表現しました。色味も先ほどのリッチブラックを採用しています。

「FIRST」の下には、対角線へと右肩に上がるラインを配置。角度を設けることで、スタートラインから一歩踏み出したかのような躍動感が生まれました。ウェブサイトなどでデザインエレメントとして機能するだけでなく、参画企業のロゴやコーポレートカラーに合わせた展開も可能なモチーフのおかげで、企業の挑戦を支えるFIRST CVCのアイデンティティを力強く示すことができます。2024年7月に初開催した「JAPAN CVC SUMMIT」のキービジュアルでも、この要素を活用させていただきました。

また、イノベーションを起こすプラットフォームとして、ロゴデザインでは一般的ではない、チャレンジングな要素も取り入れることにしました。それが、ラインに施した掠れるような細かいテクスチャーです。これにより、VI同様に勢いのある力強さやオリジナリティを表現できました。一方で、使用する場面や印刷環境によっては不都合を起こすことも想定し、掠れのないセカンダリーロゴも別途用意しました。ビジュアルアイデンティティを背景に背負う場合も、視認性やバランスの観点から、このセカンダリーロゴを使用しています。

はじめてのはじまりを描き続ける

ウェブサイトのリニューアルや、先述の「JAPAN CVC SUMMIT」の開催に向けて、策定したコーポレートアイデンティティを動画としても表現しました。金山さんに紹介いただいたモーショングラフィック会社にお手伝いいただき、簡易ではあるものの、デザインに込められた意味がより伝わる映像を用意することができました。

動画は短尺と長尺の2つがあり、短尺のものはコーポレートサイトのトップページで使用しています。長尺のほうはイベントのオープニングでも使用し、会場の雰囲気を盛り上げることができました。来場された約240社・400名超の方々にも想いが届いたようで、アンケートでも好評という結果に。心に響くコミュニケーションで企業や社会にモチベーションが生まれ、イノベーションの原動力に繋げるという、プロジェクトで掲げた目標がまさに萌芽しようとしています。

こうしたコーポレートアイデンティティのもと、FIRST CVCの挑戦はまだ始まったばかり。私たちはこれからも全力で企業のイノベーション創出を支援し、はじめてのはじまりを描き続けます。

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