先進的な量子化学シミュレーションを誰でも簡単に行うことを可能とするプラットフォーム「QSP」を提供する米国ボストンのスタートアップ。 「QSP」はシミュレーションの専門家でなくても手軽に活用ができ、はるかに対応領域が拡大された高速な量子化学計算システムによって主体的な計算R&Dが可能になるソリューションだ。2022年3月には素材・化学向けの「QSPマテリアルズ」をSaaSで提供開始し、日本でもすでにJSRやレゾナックなどで導入が広がっている。また製薬向けには「QSPライフ・QUELO」を2023年1月より提供開始し、さらに同年8月には世界初の共有結合阻害剤デザインシステム「QuValentTM」を発表した。「QuValentTM」はこれまでのシミュレーションのアプローチでは取り扱えなかった医薬品分子とタンパク質の間の複雑な化学反応を自動的に解析するソリューションで、医薬品分子の有効性を正確に予測する「QSPライフ・QUELO」と組み合わせることでよりよい分子をコンピュータ上で設計することができるようになっている。 2023年8月には東京大学協創プラットフォーム開発が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合、京都大学イノベーションキャピタルを無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合を引受先としたコンバーティブルノートによるUSD100万ドル(約1億4,605万円)の資金調達を実施した。今後は年度内に日本オフィス開設を目指し、R&Dに力を入れている製薬、化学・素材企業が多い日本での導入拡大を目指す方針だ。
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