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2025年4月1日、住友金属鉱山株式会社は完全子会社である株式会社サイコックスを吸収合併しました。この合併は、SiC(シリコンカーバイド)基板事業の効率化と強化を目的としています。SiC基板は電気自動車やハイブリッド車の駆動制御装置をはじめとする幅広い分野で需要が拡大しており、両社の技術とリソースを統合することで、競争力のさらなる向上が期待されています。
住友金属鉱山株式会社は日本を代表する非鉄金属メーカーであり、資源開発、非鉄金属製錬、機能性材料の製造を主軸としています。特に高品質な電子材料や電池素材の提供で世界的に高い評価を受けており、SiC基板の原料であるSiC単結晶・多結晶の開発も行っています。
株式会社サイコックスは2012年に設立され、2017年より住友金属鉱山の子会社としてSiC基板の開発・製造・販売を手がけています。同社が開発した「SiCkrest®」基板は独自の接合技術を活用し、高品質かつ低コストな製品として市場の注目を集めています。
電気自動車や再生可能エネルギーの普及により、エネルギー効率を高める半導体材料の需要が急増しており、住友金属鉱山はこれを事業拡大の好機と捉えています。一方、サイコックスにとっては、住友金属鉱山の資本力や技術サポートを活用することで、生産体制の拡充や製品開発の迅速化が可能となります。この合併により、両社の一体化が戦略的な成長を促進すると考えられます。
住友金属鉱山の資源開発力とサイコックスの高度な接合技術を統合することで、効率的なSiC基板の量産が実現します。「SiCkrest®」基板の8インチ化により、エネルギー効率をさらに向上させつつ、コスト削減を図ることで、幅広い産業分野での適用が進むことが期待されます。また、生産性の向上により市場需要に迅速に対応することが可能となり、新規顧客獲得やシェア拡大につながるでしょう。
今回の合併は、世界的に重要性が高まるSiC基板市場において、住友金属鉱山とサイコックスの競争力を強化するものです。エネルギー効率の向上や電力制御分野の発展に貢献するSiC基板技術は、エネルギー転換と持続可能な社会への移行を支える基盤として注目されています。両社の取り組みは、この成長市場における日本企業のプレゼンスをさらに高めると予想されます。
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