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2023年12月8日、住友生命保険相互会社は株式会社PREVENTの全株式を取得し、同社を完全子会社化しました。住友生命はこれにより、保険事業に加え、ヘルスケア分野での事業拡大を目指しています。この買収は、住友生命が掲げる「健康長寿社会の実現」を推進する重要な一手と見なされています。
住友生命保険相互会社は、1907年創業の日本を代表する生命保険会社です。生命保険業務を中心に、Vitality健康プログラムなどのウェルビーイング向けサービスも展開し、健康促進や地域社会への貢献を重視しています。
株式会社PREVENTは、2016年に名古屋大学発のスタートアップ企業として設立されました。医療ビッグデータ解析や生活習慣病の重症化予防支援事業を主力とし、「Myscope」や「Mystar」といった先進的なサービスを提供しています。特に、医療従事者とデータサイエンスを組み合わせ、リスク層別化やオンライン指導を強みとしています。
住友生命は、少子高齢化が進行する日本社会において、保険以外のヘルスケア事業の拡大を課題としてきました。この中で、医療データ解析と重症化予防の両面で高い実績を持つPREVENTとの連携が、戦略的優位性を生む可能性を評価していました。一方、PREVENTも住友生命の安定した資本や顧客基盤を活用することで、さらなる事業拡大を目指していました。こうした相互のニーズが合致した結果、今回の買収が実現しました。
今回の買収によって、住友生命の保険事業とPREVENTの医療データ解析技術が融合し、新たなヘルスケアサービスの開発が期待されます。たとえば、Vitality健康プログラムとPREVENTの「Myscope」「Mystar」を統合したサービスにより、生活習慣病予防や健康増進を一層効率的にサポートできます。また、住友生命の顧客基盤を活用することで、PREVENTのサービスはより広範囲に提供され、多くの利用者の健康改善に寄与するでしょう。
住友生命によるPREVENTの子会社化は、両社の強みを補完し合うことで、ヘルスケア分野におけるイノベーションを加速させる重要な一歩です。この動きは、少子高齢化や医療費増大といった社会的課題への対応策として、保険業界全体に影響を与える可能性があります。特に、Well-being as a Service(WaaS)の重要性が高まる中で、今回の連携は新たな業界モデルの構築に寄与するものと考えられます。
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