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株式会社日立製作所は、2021年4月1日付でKyoto Robotics株式会社の発行済株式約96%を取得し、同社を子会社化しました。Kyoto Roboticsは、3次元ビジョン技術やAIを活用した知能ロボットシステムを開発するスタートアップ企業であり、日立製作所はこれによってロジスティクスおよびFA分野での自動化ライン構築を強化する狙いがあります。
株式会社日立製作所は、エネルギー、モビリティ、IT、インダストリー、ライフ分野を中心に、100年以上にわたり社会と産業を支える総合電機メーカーです。同社は、デジタル技術を活用したソリューション基盤「Lumada」を通じてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、社会インフラの課題解決を目的とした事業展開を行っています。
Kyoto Robotics株式会社は、2000年に立命館大学発のベンチャーとして設立されました。同社の強みは、3次元ビジョン技術とAIを活用した産業用ロボットの制御システムにあり、物流現場におけるパレタイズ(荷積み)やデパレタイズ(荷降ろし)の自動化を実現してきました。国内で400台以上のロボット納入実績を持つ優れた技術基盤を有しています。
物流や製造現場における自動化ニーズの高まりを背景に、日立製作所はロボティクス分野での技術強化が必要とされていました。一方、Kyoto Roboticsは、自社技術をグローバル市場および多様な顧客へ広げるためのリソースが不足していました。このM&Aにより、日立はKyoto Roboticsの高度な技術を活用して、ロジスティクス分野でのソリューション提供能力を向上させ、競争力の強化を図る意図がありました。
日立製作所が持つ「Lumada」や制御技術と、Kyoto Roboticsが開発した3次元ビジョン技術やAI制御システムの融合により、より高度なロボットSI(システムインテグレーション)ソリューションが提供可能となります。これにより、物流センターでの入出荷作業をはじめとする自動化ラインの構築をワンストップで提供し、また現場から経営までをデジタルでつなぐトータルシームレスソリューションが実現します。この連携は、顧客の業務効率化と価値向上に寄与することが期待されています。
日立製作所によるKyoto Roboticsの買収は、ロジスティクスおよびFA分野での自動化ソリューションを強化し、さらなる産業DXの促進を目指した戦略的な取り組みです。このM&Aは、日立が推進するデジタル技術活用と社会課題解決の実現を後押しするものであり、日本企業の技術革新やグローバル競争力強化の一例ともいえます。
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